インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 山本 健太さん(仮名)
  • 年齢: 31歳
  • 経験年数: 8年(自社開発企業に7年勤務後、転職)
  • 前職: Web系企業のサーバーサイドエンジニア
  • 現職: スタートアップのテックリード

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Q: どのような人間関係の問題があったのですか?

CTOとの関係が一番の問題でした。CTOは元々優秀なエンジニアだったんですが、マネジメントに回ってからコードを書かなくなり、技術のトレンドから離れていきました。でもプライドが高くて、現場のエンジニアの技術的な提案を聞き入れないんです。

例えば、レガシーなモノリスをマイクロサービスに移行する提案をしたとき、「俺が作ったアーキテクチャを否定するのか」と怒鳴られました。技術的な議論ではなく、感情的な反発でした。

Q: パワハラはどのようなものでしたか?

全体ミーティングで個人を名指しして「こんなコードを書くやつは三流だ」と言ったり、プルリクエストのレビューで人格否定のコメントを書いたり。「お前みたいなレベルのエンジニアはどこに行っても通用しない」と1on1で言われたこともあります。

Slackでも高圧的なメッセージが飛んでくるんです。深夜にメンションされて「この障害は何だ?すぐ対応しろ」とか。オンコール体制もないのに、24時間対応を求められて。

Q: 周囲に相談しましたか?

エンジニアチームのメンバーも同じ思いで、みんなCTOに不信感を持っていました。1年間で5人のエンジニアが退職しました。社長にも相談しましたが、社長は技術がわからない人で、「CTOに任せている」の一点張りでした。

社内のコンプライアンス窓口に匿名で通報もしましたが、「注意しておきます」で終了。何も変わりませんでした。

Q: 退職を決意したきっかけは?

決定的だったのは、自分がリードしていた新機能の開発プロジェクトをCTOが勝手にキャンセルしたことです。3ヶ月かけて設計・実装したものを、リリース1週間前に「やっぱり要らない」と。理由を聞いても「俺が判断した」としか言わない。

チームメンバーの士気が一気に落ちました。自分が責任者として「申し訳ない」と謝りましたが、こんな環境でチームを守ることはできないと思いました。

Q: 退職届はどのように出しましたか?

CTOではなく、人事部長に退職の意思を伝えました。CTOに直接伝えたら何を言われるかわからなかったので。人事部長は「そうですか、残念です」と淡々と受け止めてくれました。

退職届は代表取締役社長宛てで「一身上の都合」。退職日は1ヶ月後に設定しました。引き継ぎは技術ドキュメントを整備して、残っているチームメンバーにプロジェクトの全体像を共有しました。

Q: 退職時に気をつけたことは?

ソースコードやドキュメントは全て会社の所有物なので、個人のPCにコピーしないこと。当たり前ですが、転職先に持って行くのはNGです。自分が書いたコードでも、業務で作成したものは会社に帰属します。

あと、Slackの退職挨拶は簡潔にしました。パワハラのことは書かず、「お世話になりました」とだけ。感情的なことを書くと後で後悔するので。

Q: 転職後はどう変わりましたか?

今はスタートアップでテックリードをしています。CTOは技術に理解があり、「技術的負債の返済」にも予算をつけてくれる人。心理的安全性のあるチームで、プルリクエストのレビューは建設的な議論ができています。

年収も上がりましたが、それ以上に「自分の技術的な判断が尊重される環境」がありがたいです。パワハラ環境にいると、自分の技術力まで否定された気持ちになりますが、環境が変われば全然違います。

同じ悩みを持つエンジニアは、まず社外のエンジニアコミュニティとつながることをおすすめします。社内の常識が世間の非常識だと気づけますし、転職の情報も得られます。