インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 伊藤 さやかさん(仮名)
  • 年齢: 33歳
  • 経験年数: 9年(大手Web企業に8年勤務後、転職)
  • 前職: 大手Web企業(社員数2,000名)のフロントエンドエンジニア
  • 現職: フルリモートのスタートアップのフロントエンドエンジニア

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Q: 転職を考え始めたきっかけを教えてください。

子どもが小学校に入学するタイミングでした。保育園は朝7時から夜7時まで預かってくれましたが、小学校は違います。学童保育は18時まで。でも私の会社は出社必須で、通勤に片道1時間。定時18時に退社しても、学童のお迎えに間に合わないんです。

コロナ禍でリモートワークを経験して、「在宅なら両立できる」とわかっていました。でも会社は2023年から原則出社に戻していて。リモートワーク制度を復活させてほしいと人事に要望しましたが、「全社方針なので個別対応は難しい」と。

Q: 時短勤務は使えなかったのですか?

育児時短勤務は小学3年生まで利用可能でした。でも、エンジニアの時短勤務には問題があって。スプリントのプランニングや振り返りが16時〜17時に設定されていて、時短だと参加できない。チームのコミュニケーションから外れてしまうんです。

マネージャーに「ミーティングの時間を調整してほしい」と相談しましたが、「他のメンバーの都合もあるから」と変更してもらえませんでした。「時短勤務は制度としてあるけど、実質的に使いにくい」状態でした。

Q: 転職活動で重視したポイントは?

最優先は「フルリモートワーク」です。次に「フレックスタイム制(コアタイムなし)」。子どもが学校から帰ってくる15時〜17時は対応できるようにしたかったので。

IT特化の転職サイトで「フルリモート」で絞り込んで探しました。フルリモートの企業は増えていて、10社以上の候補がありました。面接もすべてオンラインで、子どもが学校に行っている間に受けられたのが助かりました。

Q: 退職届はどのように提出しましたか?

直属のマネージャーに2ヶ月前に伝えました。「子どもの小学校入学に合わせて、フルリモートの企業に転職する」と正直に話しました。マネージャーは「リモートの件、もっと上に掛け合えばよかったね」と言ってくれましたが、会社の方針が変わる見込みはなかったので。

退職届は代表取締役社長宛てで「一身上の都合」。引き継ぎは2ヶ月かけて行いました。担当していたフロントエンドのコンポーネントライブラリのドキュメントを整備して、チームメンバーにハンズオンで引き継ぎました。

Q: 退職時のエンジニア特有の注意点はありますか?

技術的な引き継ぎが一番重要です。「コードを読めばわかる」では不十分で、「なぜこの設計にしたのか」「既知の技術的負債は何か」「今後のリファクタリング計画」まで文書化しておくべきです。

あと、個人のGitHub や技術ブログと業務のコードの区別は明確にすること。業務で得た知見を個人ブログに書くのはグレーゾーンなので、退職前にマネージャーに確認しておくと安心です。

OSSへのコントリビューションを業務でしていた場合、その活動を退職後も続けるかどうかも整理しておきましょう。

Q: 転職後の生活はどう変わりましたか?

フルリモートになって、生活が劇的に変わりました。通勤の2時間がなくなったので、朝は子どもを学校に送り出してから仕事を始められます。15時に学童から帰ってくる子どもを迎えて、宿題を見てから残りの仕事を片付ける。

年収はほぼ横ばいでしたが、通勤費と時間を考えると実質的にはプラスです。チームとのコミュニケーションはSlackとオンラインミーティング中心で、非同期コミュニケーションの文化がある企業なので、「すぐに返信しなきゃ」というプレッシャーもありません。

ワークライフバランスで悩んでいるエンジニアは、「フルリモート × フレックス」の企業を探してみてください。エンジニアはリモートワークと相性が良い職種なので、選択肢は豊富です。ただし、フルリモートでも「コアタイムあり」「カメラ常時ON」という企業もあるので、面接で確認してください。