インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 吉田 拓也さん(仮名)
  • 年齢: 29歳
  • 経験年数: 7年(SES企業6年 → 自社開発企業1年目)
  • 前職: SES企業でJava/Springのサーバーサイド開発
  • 現職: Web系自社開発企業のバックエンドエンジニア

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Q: 転職を考え始めたきっかけを教えてください。

SESで6年間、5つの現場を経験しました。最初の2〜3年は「いろんな現場を経験できて勉強になる」と思っていたんですが、だんだん「自分のプロダクトがない」ことへの虚しさを感じるようになりました。

客先常駐だと、プロジェクトが終わったら次の現場に行くだけ。自分が書いたコードがその後どう使われているかもわからない。技術選定にも関われないし、使う技術は現場次第。5年目にレガシーなCOBOLの保守案件にアサインされたときは、さすがに「このままじゃまずい」と思いました。

Q: 転職活動はどのように進めましたか?

まずGitHubにポートフォリオを作りました。個人でReact + TypeScript + Go のWebアプリを開発して、公開しました。SESだと業務でモダンな技術を使えないことが多いので、個人開発で技術力をアピールする必要があったんです。

転職サイトはIT特化のものを3社使いました。カジュアル面談を10社くらい受けて、正式に応募したのは5社。技術面接では「設計の考え方」「コードレビューの経験」「チーム開発の進め方」を聞かれることが多かったです。

Q: 退職を会社に伝えたときの反応は?

直属の営業担当に1ヶ月半前に伝えました。SESの場合、退職は「自社」と「客先」の両方に影響があるので、タイミングが難しいんです。ちょうど客先のプロジェクトが区切りを迎える時期を狙いました。

営業担当からは「次の案件でリーダーを任せたいと思っていた」と引き止められましたが、SESのリーダーは管理業務が増えるだけでコードを書く時間が減るので、自分のキャリアプランとは合わないと伝えました。

退職届は社長宛てで「一身上の都合」。SES企業の場合、客先への退場手続きも必要なので、自社と客先の両方のスケジュールを調整しました。

Q: SES特有の退職の注意点はありますか?

一番大事なのは「プロジェクトの区切りで辞める」こと。契約期間の途中で辞めると、自社に違約金が発生する可能性があります。SES契約は通常1〜3ヶ月ごとの更新なので、更新のタイミングに合わせるのがベストです。

あと、客先常駐だと「自社の就業規則」と「客先のセキュリティルール」の両方に従う必要があります。退職時には客先のセキュリティカードの返却、アカウントの削除、PCのデータ消去なども必要です。

競業避止義務にも注意してください。SES契約には「退職後N年間は同じ客先で働かない」という条項が入っていることがあります。転職先が同じ業界の場合は確認しておきましょう。

Q: 転職後の変化を教えてください。

年収は400万円から550万円に上がりました。自社開発企業なので、技術選定にも関われるし、自分が作ったプロダクトが実際にユーザーに使われている実感があります。

技術スタックもモダンになりました。Go、TypeScript、React、AWS、Docker、Kubernetesなど。SES時代には触れなかった技術を業務で使えるのが嬉しいですね。コードレビュー文化もあって、チームで技術力を高め合える環境です。

Q: SESからの転職を考えているエンジニアにアドバイスはありますか?

3つあります。1つ目は、個人開発でポートフォリオを作ること。SESの業務経歴だけでは技術力が伝わりにくいので、GitHubに公開できるコードがあると強いです。

2つ目は、現場で学べることは全部吸収すること。SESは「いろんな現場を見られる」のが唯一のメリットなので、各現場の設計手法やチーム運営を学んでおくと、面接で話せるネタが増えます。

3つ目は、退職のタイミングをプロジェクトの区切りに合わせること。円満に辞めることで、将来のリファレンスチェックにも困りません。IT業界は狭いので、前職との関係は大切にしてください。