建設業を退職した後に必要な年金・保険関連の手続きを、建設業特有の制度も含めて解説します。
建退共(建設業退職金共済制度)
建退共とは
建退共(建設業退職金共済制度)は、建設現場で働く労働者のための退職金制度です。事業主が共済手帳に証紙(掛金)を貼付し、労働者が建設業を辞めた時に退職金が支払われます。独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営しています。
退職金の請求手続き
- 1 退職金共済手帳を確認する: 在職中に会社から受け取っているはずの手帳を準備する
- 2 証紙の貼付状況を確認する: 掛金の納付月数が12ヶ月以上あれば退職金の支給対象
- 3 請求書を入手する: 建退共の都道府県支部窓口またはWebサイトから入手可能
- 4 必要書類を揃える: 退職金共済手帳、請求書、本人確認書類、振込先口座情報
- 5 建退共の支部窓口へ提出する: 郵送でも申請可能
注意点
- 証紙の貼付月数が12ヶ月未満の場合は退職金が支給されない
- 建設業界内で転職する場合は、手帳を引き継いで掛金を通算できる
- 建設業以外の業種に転職する場合は、退職金を請求して清算する
- 請求から支給まで約1〜2ヶ月かかる
厚生年金からの切り替え
転職先が決まっている場合
転職先の会社で厚生年金に再加入するため、特別な手続きは不要です。ただし、退職日の翌日から転職先の入社日まで空白期間がある場合は、その期間の国民年金加入手続きが必要です。
転職先が決まっていない場合
退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村役場で国民年金第1号被保険者への切り替え手続きを行います。
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 退職日がわかる書類(離職票、退職証明書等)
- 本人確認書類
- マイナンバーカードまたは通知カード
保険料の免除・猶予制度
退職後に収入がなく保険料の支払いが困難な場合は、免除制度や猶予制度を利用できます。退職(失業)を理由とした特例免除では、本人の前年所得を除外して審査されるため、認められやすくなります。未納のまま放置すると将来の年金受給額に影響するため、必ず手続きしましょう。
健康保険の切り替え
退職後の健康保険には3つの選択肢があります(詳しくは「退職後の健康保険」記事を参照)。
- 1 任意継続被保険者: 退職前の健康保険を最長2年間継続(退職後20日以内に申請)
- 2 国民健康保険: 市区町村の国保に加入(退職後14日以内に手届け)
- 3 家族の扶養に入る: 年収130万円未満の見込みなら被扶養者になれる
建設国保に加入していた場合は、退職により資格を喪失するため、国民健康保険への加入または任意継続の手続きが必要です。
手続きの優先順位とスケジュール
退職後は以下の順序で手続きを進めましょう。
- 1 退職当日〜翌日: 健康保険証の返却、離職票の受領確認
- 2 退職後5日以内: 任意継続を希望する場合は申請準備
- 3 退職後14日以内: 国民年金・国民健康保険の切り替え手届け
- 4 退職後20日以内: 任意継続被保険者の申請期限
- 5 離職票届き次第: ハローワークで失業保険の手続き
- 6 建退共の請求: 退職後速やかに申請
期限を過ぎると手続きが複雑になるため、退職前にスケジュールを立てておくことが重要です。