インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 小林 真由美さん(仮名)
  • 年齢: 28歳
  • 経験年数: 6年(有料老人ホームに5年半勤務後、退職)
  • 前職: 株式会社運営の有料老人ホーム
  • 現職: 社会福祉法人のデイサービス

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Q: どのような人間関係の問題があったのですか?

施設長との関係が一番の問題でした。施設長は元営業畑の人で、介護の現場経験がないのに、現場のやり方に細かく口を出してくるんです。「もっと効率よく回せ」「一人で3人同時に食事介助しろ」みたいな無茶な指示が日常的にありました。

人員不足で常にギリギリの状態なのに、「人が足りないのはお前たちの段取りが悪いからだ」と言われて。ミーティングでは名指しで「仕事が遅い」と叱責されることもありました。他のスタッフの前で怒鳴られるのは、本当に屈辱的でした。

Q: 人員不足はどの程度深刻でしたか?

私が入職した頃は介護スタッフが15人いたんですが、辞めていって最終的には9人まで減りました。それなのに利用者さんの数は変わらないので、一人当たりの負担がどんどん増えて。夜勤は本来2人体制のはずが、1人夜勤になることも月に何回かありました。

1人夜勤のときに利用者さんが転倒されて、対応に追われているうちに別の利用者さんのコールが鳴って。走り回っても間に合わなくて、安全な介護ができない状態でした。それを施設長に報告しても「気合が足りない」の一言で。

Q: 退職を決意したきっかけは?

決定的だったのは、利用者さんへの対応について施設長と衝突したときです。認知症の利用者さんが帰宅願望で落ち着かないとき、施設長が「部屋に鍵をかけて閉じ込めろ」と指示したんです。それは身体拘束で、虐待にあたります。「できません」と断ったら、「俺の指示に従えないなら辞めろ」と。

その夜、「もうここにいたら自分がダメになる」と思いました。利用者さんのためにも、こんな施設にいるべきではないと。

Q: 退職届はどのように出しましたか?

施設長に直接伝えるのが嫌だったので、まず本社の人事部に電話しました。「施設長のパワハラと不適切な指示について相談したい」と伝えたら、人事担当者が面談に来てくれました。

退職届は本社の人事部経由で提出しました。理由は「一身上の都合」です。パワハラの件は別途、人事部に書面で報告しました。退職日は1ヶ月後に設定しましたが、有給休暇が30日以上溜まっていたので、実質的には届け出の翌週から出勤しませんでした。

Q: 退職時にやっておいて良かったことは?

パワハラの記録を残しておいたことです。施設長の発言を日時と一緒にメモしていました。録音はしていませんでしたが、メモだけでも人事部への報告には十分でした。

あと、同僚の連絡先を交換しておいたこと。辞めた後も「あの施設長、結局異動になったよ」と教えてもらえました。自分の報告が少しは役に立ったのかなと思います。

Q: 転職後はどうですか?

今は社会福祉法人のデイサービスで働いています。管理者がベテランの介護福祉士で、現場のことをよく理解してくれる方なので、ストレスが全然違います。

年収は少し下がりましたが、夜勤がないので身体は楽になりました。何より「利用者さんのために働いている」という実感があります。前の施設では「施設長の顔色を伺いながら働いている」感覚でしたから。

パワハラで悩んでいる介護職の方は、まず運営法人の本部や外部の相談窓口(都道府県の介護労働安定センターなど)に相談してください。一人で抱え込まないことが大切です。