インタビュー対象者プロフィール
- 名前: 藤田 あかりさん(仮名)
- 年齢: 30歳
- 経験年数: 7年(小規模保育園に6年勤務後、退職)
- 前職: 株式会社運営の小規模保育園
- 現職: 認定こども園の保育教諭
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Q: どのような人間関係の問題があったのですか?
一番の問題は園長との関係でした。園長は保育士資格を持っていない経営者で、保育の方針について意見が食い違うことが多かったんです。
例えば、園長は「保護者受けを最優先にしろ」という方針で、SNS映えする派手な行事を次々に企画させられました。私たちは「子どもの発達に合った保育がしたい」と訴えたんですが、「保護者が喜べばいいんだ」と取り合ってもらえませんでした。
Q: 保護者との関係でも問題がありましたか?
はい。小規模保育園は保護者との距離が近い分、要望も直接的です。ある保護者から「うちの子だけに特別な対応をしてほしい」「他の子と遊ばせないでほしい」といった要求が頻繁にあって。園長は「保護者の言う通りにしろ」としか言わないので、現場の私たちが板挟みになりました。
一度、その保護者から「あなたの保育は信用できない」と面と向かって言われたことがあります。園長に相談したら「あなたの対応が悪いんでしょ」と言われて。他の保育士に聞くと私の対応に問題はなかったんですが、園長は常に保護者側でした。
Q: 退職を決意したきっかけは何でしたか?
6年目の秋、園長が「保育料を上げたいから英語教育を導入する」と言い出しました。外部講師を呼ぶのではなく、保育士が英語のレッスンをやれと。英語の経験がないスタッフばかりなのに、「YouTubeで勉強すればいいでしょ」と。
もう保育の質とか子どもの発達とか、全く考えていないんだなと。この園にいても、自分がやりたい保育はできないと確信しました。
Q: 退職届はどのように出しましたか?
年度末退職を前提に、12月に園長に伝えました。「来年度は続けられません」と。園長は「年度途中に辞められたら困る」と言いましたが、年度末退職なので法的にも問題ありません。
退職届は園長宛てで「一身上の都合」。提出は1月でした。園長から「理由を詳しく書け」と言われましたが、「一身上の都合で十分です」と押し通しました。退職届に詳しい理由を書く義務はありません。
Q: 退職時に注意したことはありますか?
保護者への説明のタイミングは園と相談して決めました。年度末の2月に「3月で退職します」と保護者に伝えたんですが、子どもが混乱しないよう、普段通りの保育を続けることを心がけました。
あと、自分が作った教材やカリキュラムのデータは全てUSBにまとめて後任に渡しました。「これは私が作ったものだから持って行く」という人もいますが、子どもたちのために残した方がいいと思って。
Q: 転職後はどう変わりましたか?
今は認定こども園で保育教諭として働いています。園長が現場経験豊富な方で、保育方針について対等に議論できる環境です。「子ども主体の保育」を実践できているので、毎日やりがいを感じています。
年収は微増程度ですが、精神的なストレスが激減しました。保護者対応も園全体でフォローする体制があるので、一人で抱え込むことがなくなりました。
園の方針と自分の保育観が合わないと感じたら、無理に合わせ続ける必要はありません。保育士が働ける場所はたくさんあるので、自分の保育観を大切にしてください。