インタビュー対象者プロフィール
- 名前: 岡田 菜月さん(仮名)
- 年齢: 28歳
- 経験年数: 7年(私立保育園6年 → 公立保育園1年目)
- 前職: 社会福祉法人運営の私立認可保育園
- 現職: 市立保育園
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Q: 転職を考え始めたきっかけを教えてください。
入職5年目のとき、同じ保育士の友人が公立保育園に転職して、「全然違うよ」と言っていたんです。給与はもちろん、残業の少なさ、行事の負担、有給の取りやすさ。全部が違うと。
私の園では持ち帰り仕事が当たり前で、壁面装飾の制作や連絡帳の記入を自宅で夜中までやっていました。手取りは月17万円。正直、「この待遇で一生続けるのは無理だ」と思い始めていました。
Q: 公務員試験の準備はどうしましたか?
働きながら半年間、独学で勉強しました。保育士の公務員試験は自治体によって内容が違うんですが、一般教養と保育の専門知識、小論文、面接が基本です。
勉強時間の確保が一番大変でした。日中は保育で手一杯で、帰宅後は持ち帰り仕事。結局、朝5時に起きて出勤前に1時間勉強する生活を続けました。過去問を中心にやって、なんとか一発合格できました。
Q: 退職を園に伝えたときの反応は?
園長には年度末の4ヶ月前に伝えました。「公務員試験に受かったので、3月末で退職させていただきたい」と。園長は最初、かなり動揺していました。「来年度のクラス担任はもう考えていたのに」と。
でも公務員試験に受かったことは応援してくれて、「立派ね、頑張ってね」と言ってもらえました。退職届は園長宛てで、理由は「一身上の都合」です。保育園の退職はほぼ年度末一択なので、タイミングについては揉めませんでした。
Q: 引き継ぎで大変だったことは?
年度末退職なので、クラスの引き継ぎ自体は新年度のクラス替えと同じ流れです。でも、6年分の行事マニュアルや教材リスト、保護者対応の記録など、「私しか知らない情報」がたくさんありました。
特に大変だったのは「暗黙知」の引き継ぎです。「この子はお昼寝のとき必ず特定のタオルがないと寝られない」「この保護者にはお迎え時に必ず今日の様子を伝えないとクレームになる」みたいな、マニュアルに書けない情報。全部書き出して後任に渡しました。
Q: 転職後の変化を教えてください。
年収は300万円から420万円に上がりました。公務員なので毎年昇給があるし、ボーナスも年4.5ヶ月分。退職金制度もしっかりしています。
働き方も大きく変わりました。残業は月10時間以内で、持ち帰り仕事は禁止。壁面装飾は業者に外注していて、保育に集中できる環境です。有給も年20日あって、実際に取得できています。
Q: これから転職を考えている保育士にアドバイスはありますか?
公立保育園への転職を考えているなら、年齢制限に注意してください。自治体によって25歳〜35歳くらいの制限があります。試験は年1回が多いので、チャンスを逃さないように。
私立から私立への転職でも、処遇改善等加算の配分方法や、園の方針(行事の多さ、ICT導入状況)を見学時に確認すると良いです。同じ「私立認可保育園」でも、園によって労働環境はまったく違います。
退職届は必ず年度末に合わせること。年度途中の退職は子どもへの影響が大きいので、よほどの事情がない限り避けた方が、自分自身の気持ちも楽です。