工場での作業中にケガをし、その後退職を考えている方へ、労災補償と退職の関係について解説します。退職しても補償は継続されるため、安心して手続きを進めましょう。

労災事故後の退職は可能か

労災で療養中であっても、自分の意思で退職することは可能です。また、会社側も労災療養中の労働者を解雇することは原則としてできません(労働基準法第19条)。

退職後も労災補償は継続される

重要なポイントとして、退職後も労災保険の補償は継続されます。

補償の種類退職後の継続
療養補償給付(治療費)継続される
休業補償給付(休業中の給与補償)継続される
障害補償給付(後遺障害)退職後も申請可能
アフターケア制度対象疾病であれば継続

退職届の書き方

労災事故後の退職でも、退職届には「体調不良により業務の継続が困難となりましたので」と記載するのが一般的です。

退職のタイミング

治療中の退職

治療中でも退職は可能ですが、以下の点に注意しましょう。

  • 労災指定病院での治療を継続する場合、病院に退職の旨を伝える
  • 労災の手続き(請求書の事業主証明)は退職前に会社に依頼しておく

症状固定後の退職

治療が終了し「症状固定」と診断された後に退職する場合は、障害等級の認定を受けてから退職するのが有利です。

後遺障害が残った場合

症状固定後に後遺障害が残った場合、障害等級に応じた補償を受けられます。

障害等級補償内容
1〜7級障害補償年金(毎年支給)
8〜14級障害補償一時金(一括支給)

障害等級の認定は、退職後でも申請可能です。

失業保険との関係

労災の休業補償給付と失業保険は同時には受給できません。ただし、休業補償給付が終了した後に失業保険を申請することは可能です。労災による退職の場合、特定受給資格者として扱われるため、給付制限はありません。

会社への損害賠償請求

労災保険だけでは補填されない損害(慰謝料など)については、会社に対して民事上の損害賠償を請求できる場合があります。

  • 安全配慮義務違反があった場合
  • 設備の不備や安全教育の不足があった場合

損害賠償の時効は5年です。弁護士への相談を検討しましょう。

まとめ

工場での労災事故後の退職で最も重要なことは、「退職しても労災補償は継続される」という点です。会社から「退職したら労災は打ち切り」と言われても、それは誤りです。安心して治療に専念し、回復後のキャリアを考えましょう。