工場では期間工(期間従業員)や契約社員として働いている方が多くいます。正社員とは退職のルールが異なるため、雇用形態に応じた正しい退職方法を確認しましょう。
期間工・契約社員の退職ルール
契約期間中の退職は原則不可
期間工や契約社員は、雇用契約で定められた期間の途中で一方的に退職することは原則としてできません(民法第628条)。
退職が認められる例外
以下の場合は契約期間中でも退職が認められます。
- 病気やケガで業務の継続が困難
- 家族の介護が必要になった
- 会社側に重大な契約違反がある
- 1年を超える有期契約の場合、1年経過後はいつでも退職できる
- 会社が退職に同意すれば、契約期間中でも退職可能
実際の運用
法律上は契約期間中の退職に制限がありますが、実際には2週間〜1ヶ月前に申し出れば退職を認めてくれる工場がほとんどです。人手不足の工場では、無理に引き留めるよりもスムーズに退職させた方がトラブルが少ないと判断する傾向があります。
退職届の書き方
契約途中で退職する場合
退職届の書式は正社員と同じです。退職理由は「一身上の都合」と記載します。
契約満了で退職する場合
契約期間の満了で退職する場合は、更新のタイミングで「次回の契約更新を希望しません」と伝えます。多くの場合、退職届は不要で、「更新辞退届」や口頭での申し出のみで済みます。
満了金(満了慰労金)への影響
契約満了まで勤めた場合
大手自動車メーカーなどでは、契約期間を満了すると「満了金(満了慰労金)」が支給されます。金額は勤務期間に応じて増加し、6ヶ月ごとに数万円〜数十万円が支給されるのが一般的です。
契約途中で退職した場合
契約途中で退職すると、満了金は支給されないか、大幅に減額されるのが一般的です。退職を検討する際は、満了金の支給条件を確認し、可能であれば契約満了まで勤務することを検討しましょう。
失業保険の扱い
契約満了で退職した場合
契約期間の満了で退職し、かつ本人が更新を希望していた場合は「特定理由離職者」に該当し、以下のメリットがあります。
- 2ヶ月の給付制限がない(すぐに受給開始)
- 国民健康保険料の軽減措置を受けられる
自己都合で退職した場合
自分から更新を辞退した場合や契約途中で退職した場合は、通常の自己都合退職扱いとなり、1ヶ月の給付制限が適用されます。
雇止めの場合
会社側が契約更新をしない場合(雇止め)は、「特定受給資格者」として手厚い保護を受けられます。受給日数が増え、給付制限もありません。
寮の退去について
期間工の多くは会社の寮に入っています。退職時の寮の退去ルールを確認しましょう。
- 退去期限: 退職日から1週間〜2週間以内が一般的
- 原状回復: 部屋の清掃と備品の確認
- 次の住居: 退職前に引っ越し先を確保しておく
- 住民票の異動: 寮の住所で住民登録している場合は転出届が必要
次の仕事の選択肢
別の期間工に移る
大手メーカーの期間工は待遇が良く、寮費無料で食事補助もあるため、貯金目的で別の期間工に移る人も多いです。
正社員登用を目指す
期間工から正社員に登用される制度を持つメーカーもあります。勤務態度や出勤率が良好で、上司の推薦があれば登用試験を受けられるケースがあります。
異業種に転職する
期間工で貯めたお金を資金にして、資格取得や職業訓練を受けてから異業種に転職する方法もあります。ハローワークの職業訓練は受講料が無料で、訓練期間中は失業保険を受給できます。