体験者プロフィール
- 名前:佐藤 美咲(仮名)
- 年齢:27歳(退職当時)
- 経験年数:5年(そのうちSV指導下4年)
- 勤務先:某大手銀行のコールセンター
- 現在:医療事務職で勤務(転職1年6ヶ月)
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SVとの関係が悪化するまで
コールセンター入社1年目までは、特に問題なく業務をしていました。評価も『良好』。昇給も定期的にありました。
転機は、2年目に配属されたSV『田中部長』でした。
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SVによる『詰め』:実例
事例1:電話対応の質についての指摘
私が顧客に「かしこまりました」と返答した際、後で田中部長に呼び出されました。
部長「佐藤さん、さっきの『かしこまりました』は棒読みでしたね。顧客は気分を害したと思います」
私「申し訳ございません。今後、気をつけます」
部長「『気をつけます』じゃなくて『実行する』んです。明日から改善がなかったら、あなたの評価を下げます」
その電話は、顧客から特に苦情は出ていません。しかし部長の『聞き方』から『この人は何を言っても通る』という恐怖を感じました。
事例2:休暇申請の拒否
有給休暇を申請したときのこと。
部長「なぜこのタイミングで休むんですか?月間目標まであと1週間ですよ」
私「医師の定期診察が…」
部長「医師の定期診察なら、シフト終わりに行ってください。仕事とプライベート、どちらが大事ですか?」
(私は有給休暇の権利があるのに、暗に『休むな』という圧力)
結果的に、有給は『取得しなかった』ことにされました。(給与からは支払われた)
事例3:服装についての指摘
髪の毛が肩にかかるようになったとき、朝礼で全員の前で指摘されました。
部長「女性社員は『清潔感』が大事。佐藤さんの髪型は、顧客に不信感を与えます」
電話対応なので、顧客には髪型は見えません。これは明らかに理由付けの詰めです。
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心理的な圧力の積み重ね
これらの『詰め』が毎日のように積み重なります。
特に私が『何か言い返す』と:
部長「そういう反抗的な態度が、あなたの評価を下げているんですね」
と、『逆ギレ』をされます。
正当な主張も『反抗』として扱われ、評価が下がる。その恐怖から、部長の言葉に反論できなくなりました。
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業績への影響
部長からの圧力で、仕事のパフォーマンスが低下しました。
1年目の月間契約数:平均15件 3年目の月間契約数:平均11件
なぜ下がったのか、自分でも理解していました。
『詰められるのが怖い』『できるだけ早く対応を終わらせたい』という焦りから、顧客ニーズを丁寧に聞き出す余裕がなくなったのです。
結果、契約率が低下。すると部長からさらに詰められます。
悪循環です。
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同僚との関係
私が部長に詰められているのを見ると、他の同僚は『自分が標的になるのを避ける』という動作本能から、私と距離を置くようになります。
休憩室で『大変だね』と言ってくれる人はいますが、『部長に相談しよう』と勧める人はいません。みんな『これは個人の問題で、深く関わるべきではない』と感じているのです。
孤立します。
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メンタルの変調
4年目から、メンタルが悪化しました。
- 朝、出勤の準備をしていると吐き気がする
- 部長が近づいてくるだけで、心臓がバクバク
- 夜間に『明日、部長から詰められたらどうしよう』という不眠
- 休日に『月曜日のことを考えると気持ちが重くなる』
5年目に、心療内科を受診したところ『適応障害』と診断されました。
医師「この環境を続ける限り、症状は改善しません。転職を検討してください」
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会社への相談と失敗
医師の診断を持って、人事部に相談しました。
人事「診断書を拝見します。ただし、部門の異動や配置転換には、センター長の了承が必要です」
センター長に異動を申し出たところ:
センター長「部長との関係が問題ですか?それは『適応の問題』ではなく『あなたの対応力の問題』ですね。もう少し工夫してみてください」
『SV配下の人間関係』は『対応力の問題』に転化され、会社は何もしてくれません。
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退職の決断
『この環境では治らない』と判断し、退職を決めました。
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退職届の提出
退職届は人事部長宛てで、『医学的理由に基づき、業務継続が困難なため』と記載。診断書を同封。
会社は引き止めようとしましたが、医学的根拠があると強く言い張りました。
退職日:1ヶ月半後
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退職後:回復と転職
退職から1ヶ月で、吐き気はなくなりました。
転職活動を始め、医療事務職に採用されました。年収は前職の75%ですが、『人間らしい生活』が戻りました。
現在、医療事務で1年6ヶ月。上司から『詰められる』ことはなく、定期的なキャリア面談で『次のステップについて一緒に考えましょう』と言ってもらえます。
この環境の違いが、『会社って色々あるんだ』と実感させてくれました。
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SVによる詰めに苦しむ方へ
SVによる詰め・圧力は『あなたの責任ではありません。』
『適応力がないから』『対応力がないから』と内面化する必要はない。その詰めが『不当な指摘』である可能性が高いです。
- 正当な権利(有給休暇)を使おうとすると拒否される
- 業務と無関係な外見・服装について指摘される
- 反論すると『反抗的だ』と評価される
- 同僚が距離を置くようになる
これらは『パワーハラスメント』の要件です。医師の診断を得た上で、退職・転職を検討してください。
人生の6年、7年を『詰めに怯える』ために費やす必要はありません。