インタビュー対象者プロフィール
- 名前: 田中 美咲さん(仮名)
- 年齢: 31歳
- 経験年数: 美容師歴8年
- 勤務先: サロン
- 役職: スタイリスト
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Q: 転職を考え始めたきっかけは何でしたか?
入社してから8年、アシスタント時代を含めてずっと同じサロンで頑張ってきました。スタイリストとしてデビューして5年目くらいから、指名のお客様も増えてきて、売上も安定していたんです。でも、給料は入社時から月5万円くらいしか上がっていなくて。歩合の割合も低くて、どれだけ頑張っても手取りは25万円前後で頭打ちでした。
同期で別のサロンに移った子が、歩合率の高いところで月35万円もらっていると聞いて、正直焦りました。技術力には自信があったので、「自分の価値をちゃんと評価してくれる場所で働きたい」と思うようになりました。
Q: 転職活動はどのように進めましたか?
最初はSNSで気になるサロンの情報を集めるところから始めました。インスタで作品を発信していたこともあって、実は2つのサロンからスカウトのDMをいただいていたんです。それがきっかけで本格的に転職を考えるようになりました。
美容師専門の求人サイトにも登録して、条件面を比較しました。重視したのは「歩合率」「社会保険完備」「教育制度」の3つです。最終的に、有名サロンから内定をいただきました。面接では自分の作品集(ポートフォリオ)を見せて、指名客数や売上実績を具体的に伝えました。
Q: オーナーにはどう伝えましたか?
これが一番緊張しました。お世話になったオーナーに申し訳ない気持ちが強くて。でも、営業時間後にオーナーと二人きりの時間を作ってもらい、率直に伝えました。「自分のキャリアをさらに伸ばしたい」「新しい環境で挑戦したい」という前向きな理由を中心に話しました。
オーナーは最初こそ驚いていましたが、「美咲の成長を考えたら応援するよ」と言ってくれました。ただし、「指名のお客様への対応はしっかりやってほしい」と言われ、引き継ぎ期間として2ヶ月をもらいました。
Q: 指名客の引き継ぎはどうしましたか?
これが美容師の転職で一番大変なところですよね。指名のお客様約80名に対して、一人ひとり次回来店時に後任のスタイリストを紹介しました。カルテには好みのスタイル、NGポイント、会話の内容まで詳しく書き残しました。
中には「田中さんがいないなら他の店に行く」と言ってくださるお客様もいて、嬉しい反面、申し訳なくて。ただ、前のサロンに迷惑をかけないよう、「こちらのサロンでも素敵なスタイリストがいますから」とお伝えしました。
Q: 退職届はどのように提出しましたか?
口頭でオーナーに退職の意思を伝えてから2週間後に、正式に退職届を提出しました。退職届には「一身上の都合」と書きました。個人経営のサロンだったので、宛先はオーナーの個人名です。手書きで丁寧に書いて、封筒に入れて渡しました。
退職日は2ヶ月後に設定して、その間に引き継ぎと有給消化をしました。有給が10日分残っていたので、最後の2週間は有給を使わせてもらいました。
Q: 転職後の変化を教えてください。
転職先では歩合率が前のサロンより10%高く、指名客も徐々に増えてきたので、年収ベースで約100万円アップしました。社会保険も完備で、産休・育休制度もしっかりしていて、将来の安心感が全然違います。
技術面でも、新しいサロンでは最新のカラー技術やヘッドスパの研修を受けられて、自分の幅が広がりました。環境を変えることへの不安はありましたが、行動して本当によかったと思っています。
Q: これから転職を考えている美容師にアドバイスはありますか?
3つあります。まず、転職先を決めてから退職届を出すこと。美容師は求人が多いとはいえ、条件の良いサロンは競争率が高いです。次に、指名客への対応は誠実に。美容師業界は狭いので、悪い評判が立つと将来の独立にも影響します。最後に、自分の市場価値を客観的に把握すること。売上実績、指名客数、SNSのフォロワー数など、数字で示せる実績を整理しておくと交渉で有利です。